絹・生地

 絹や着物の生地のお話


  ハイテク時代の今日ではあまり意識されることはないでしょうが、織物の技
 術というのは、人類の最大の発明の1つとされています。

  たとえば、「」(きぬ)。蚕蛾(かいこが)の幼虫、蚕(かいこ)がさな
 ぎになる時につくる膜が繭(まゆ)。この繭を引き伸ばし、糸に紡いだものが
 「生糸」(きいと)。この「生糸」を織って生地にしたものが「絹織物」。

  「絹」は繊維の王様で、中国で発明されました。紙とともに、中国における
 人類最大の発明のひとつとされています。


 ここでお話したいのが、布というのは「衣食住」の1つで、人間の生活にな
 くてはならないものの1つです。ですから、布の文化は古来からとてもインタ
 ーナショナルなものなんです。

  「着物」は日本の伝統衣装ですが、「着物」を表す「呉服」という言葉は、
 「呉」の国の服ということ。

  「呉」は、あの「三国志」に描かれた中国の古代の国、「魏」「呉」「蜀」
 の1つでした。3世紀のことですから、日本は弥生時代、卑弥呼の時代です。
 卑弥呼が「魏」に使いを送ったことが、「魏志倭人伝」に書かれているという
 うのは、中学の時に歴史で習った記憶があると思います。

  おそらくこの頃、織物の技術が日本に伝承されて、「呉」から伝えられた服
 と認識されていったのでしょう。

  ですから、そもそも「着物」自体が外国の服ということからスタートしてい
 るんですね。でも、もちろん日本で独自に「着物」文化は発展してきたわけで、
 今では、私たちが誇れる日本の伝統文化にまで昇華させてきたことはいうまで
 もありません。

       
 他にも、多く海外の衣料文化を柔軟に取り入れてきたことが、さまざまな所
 に残されています。

  「メリヤス・メリンス・モスリン・シンモス」これらは、生地屋さんや呉服
 屋さんで売っている生地の名称です。厚手の木綿織物は、かつてインドから輸
 入していたことで、「天竺」(てんじく)と呼ばれます。

  着物屋さんでは、意外に英語が使われていることが多いのですよ。着物のペ
 ージにも書きましたが、着物と羽織がおそろいのツーピースのものを「アンサ
 ンブル」、肌襦袢(着物用のシャツ)と裾よけ(おこし、腰の下にまく肌着)
 が1つにくっついたスリップを「コンビネーション」と言ったりします。

  それから、意味はよくわからないのですが、男の人用の紺地の綿足袋をなぜ
 か「スクール足袋」って言うんです。

  このように、布の文化の中には、日本人が外国の文化に対して、柔軟に熱心
 に取り入れようとしてきた歴史を見ることができます。

  和の布の種類については、「和の布U」のページを見てくださいね。 

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